【FPが解説】死亡保険の保障額、本当にそのままで大丈夫?

家計管理

はじめに:保険、なんとなく入りっぱなしになっていませんか?

「もし自分が死んだら…」
そんな不安から、多くの人が加入する生命保険。

でも、その保障額、今の自分に本当に必要ですか?

私はFP3級を取得し、家計の見直しや保険の分析をする中で、「過剰に保険をかけすぎているケース」が思った以上に多いことに気づきました。

この記事では、子育て世代のリアルな生活感覚と、FP目線での計算方法を合わせて、
「適切な保障額」の考え方と、実際に保険を見直した体験をお伝えします。


我が家のケース(背景)

  • 子ども:3人(全員小学生)
  • 配偶者は専業主婦
  • 安定収入のあるサラリーマン世帯
  • 住宅ローンあり(団体信用生命保険加入済み)
  • 加入中の保険:逓減型収入保障(月12万円、60歳まで)

「家族が安心して暮らせるように」と考えて加入した保険でしたが、
FP的な目線で保障額を見直してみたところ、保険をかけすぎていたかもしれないと気づきました。


FPの視点:保障額の出し方(実は段階式が正解)

必要な支出を整理する

死亡保険でカバーすべき支出は次の3つに分けて考えます。

  • 子どもが独立するまでの生活費
  • 子ども3人分の教育費
  • 葬儀費用や万が一の支出

生活費は“段階的に減る”前提で計算する

子どもが成長して独立すれば、当然生活費も減ります。これから先、給与所得を見込んでいる28年間を想定して、以下のとおり生活費を算定しました。

期間状況月生活費年額備考
~10年子ども全員在宅15万円180万円教育・生活費多め
10~16年目1~2人独立12万円144万円少しずつ減少
それ以降夫婦2人のみ9万円108万円最小限生活費

合計:約3,960万円

よくある「ずっと月15万円必要」と仮定すると、180万 × 28年 = 5,040万円
実際は1,000万円以上の差が出ることもあるんです。


公的保障や手持ち資産は見逃せない

必要な保障額は、「すべて保険でまかなう」必要はありません。

以下のようなものも大きな支えになります。

  • 遺族年金(子どもがいる世帯では支給額が多い)
  • 預貯金や投資などの金融資産
  • 住宅ローンの団体信用生命保険(ローン残高はゼロに)

これらを差し引いた「足りない分」だけを保険でカバーする。
これがFP的に正しい保障額の出し方です。


実際に保険を見直してみた

見直し前:逓減型収入保障(月12万円/60歳まで)
保険料:月3,288円

見直し後の検討案:

  • 逓減型収入保障:月5万円/60歳まで
  • 保険料:月1,455円

差額の約2,000円は、教育費(習い事)に回す予定です。
保険で備えすぎるより、資産形成に振り向けたほうが家計全体のバランスも整います。


FPからのアドバイス:こんな人は見直し検討を

  • 子どもがいるから、とりあえず高めの保障にしている
  • 遺族年金の存在を忘れている
  • 資産形成が進んでいるのに保険を変えていない
  • 生活費を固定で見積もっている(減っていく前提を忘れている)

→ 保険は「安心」を買うものですが、かけすぎはお金のムダになります。

実際に保険を見直してみた(でも他社との比較はやめました)

当初は、他の保険会社とも比較して「もっと安い保険料を探そう」と考えていました。

でも、収入保障保険は種類が多く、保障額や条件もまちまちで正直とても分かりづらい…
結果的に、「もういいや」となり、もともと契約していた保険会社をそのまま減額することに。

  • 保障額:月5万円(最小額)
  • 保険料:月1,455円(60歳まで固定)

思ったほどは安くならなかったのが本音ですが、それでも「月3,288円 → 月1,455円」になったことで、少し余裕ができました。


保険を見直した“リアルな理由”は、習い事の値上げだった

実は今回の保険見直し、子どもたちの習い事(スイミングスクール)の値上げがきっかけでした。

  • 8月から、一人あたり月額550円アップ
  • 子どもは3人通っているため、合計で月1,650円の増加

この出費増にどう対応しようかと家計を見直したところ、
「もしかして、保険ってちょっとかけすぎてる?」と気づいたんです。

「保険の見直し」と聞くと難しそうに感じますが、
ちょっとした習い事の値上げが動機でも、きっかけとしては十分です。


まとめ:保険も家計も“今の暮らしに合っているか”が大事

保険って、未来の安心のために入るものですが、
「今の家計の安心感」も、同じくらい大切だと思います。

今回は、保険をほんの少し見直すことで、
「子どもたちの習い事を続けさせられる」という安心も得ることができました。

FP資格をもつ私が実感したのは、「保険も生活の一部」だということ。
変化があったときに見直す。これが最も自然な保険のあり方かもしれません。


さいごに

保険は“入ったら終わり”ではありません。
家族構成やライフステージが変わったら、立ち止まって考え直すタイミングです。

少しの見直しで、家計の安心感が大きく変わることも。
ぜひ、一度「わが家に必要な保障額はいくら?」と考えてみてくださいね。

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